Wifi-Mesh規格、EasyMesh, OneMesh, DecoMeshの違い

思えば学生時代のまだWifiが一般的でないご時世、MacBookG4にAirMac Cardなるものを差し込み、なぜかイヤホンジャックがついているAirMac Expressをモデムから繋いで、そんなに広くない一間の下宿で時代の最先端だと悦に入ったものです。

その後aだのnだの様々な規格が登場したり、Wi-Fiっていう無線LANの通信規格が策定された割にはBaffaloとMacの相性最悪だったりと様々なことがありました。

純Mac派な我が家ではサーバーに必要な設定が比較的わかりやすかったAirMacシリーズをずっと使っていたのですが、そのシリーズも時代と変遷とともにMacから左遷されてしまいました。帰ってこい、AirMacとOS Server!

昨年の新居引っ越しの際に、ついに我が家もサードパーティ製の無線ルータを導入する必要に迫られて、とりあえず一台買ったのがTP-linkのDecoシリーズ
Buffaloのいかにも電波飛ばすぞってデザインは嫌いじゃないんですが、女子(妻)受けとインテリアとの相性が最悪なんですよ。
Decoシリーズは白を基調にデザインされており、すこしAirMacExtremeの面影があったりなかったり。
円柱の形もアロマディフーザーといってもギリギリ差し支えないレベルで、妻の許容も得て、我が家でも眼に見えるテレビ台の上に鎮座していますが、存在感もなくいい仕事していました。

そしてつい2ヶ月ほど前突然の無線LANの接続不良が起こりました。
当初は購入して一年程度でしたがハズレ個体だったのかなと考え、ヨドバシで同じTP-Link社の薄型無線LANルータのArcher Air R5を購入してみました。

結局Decoの不良の原因は、ホームゲートウェイに無駄に設定してしまったローカルドメイン問い合わせだったっぽくて、それを削除したら正常に稼働してくれるようになりました。(妻には内緒)
そうなると困るのがArcher Air R5のやり場。
そこでふと、どっちもTP-linkでメッシュWi-Fiが構築できると書いてあったなと思い出して、設定してみたらすごいことになっていましたというのが前段です。

なんとTP-link社の中だけで、メッシュWi-Fiの規格が三つも存在し、組み合わせによってはメッシュWi-Fiを構築できないそうなのです。
というか、うちの買い方はまさにメッシュWi-Fiが構築できない買い方をしていたので、情報共有したくで緊急で動画を回しています。記事を書いています。
わざわざ無線LAN老人会の走馬灯のようなことを書いたのは、Wifiが策定された当時もおんなじようなことが起こっていたなぁと思い出されたからです。

ですので、まずは規格の中身をしっかり理解し、楽しいメッシュWi-Fiライフを送ってください。
参考にさせていただいた元記事はこちら

Wi-Fiメッシュとは?

例えば家の1階と2階で無線LANの電波が届かずに、異なるアクセスポイントを使う必要に迫られます。
これまでであれば手動でアクセスポイントを切り替える必要があり、ヘタをすると電波ビンビンのアクセスポイントがあるのに、電波ギリギリのアクセスポイントにいつまでも繋がっているなんてこともあるかもしれません。
そのような状況にならないよう、複数のアクセスポイントを統一して一つのネットワークとして構築し、自動的にアクセスポイントを切り替えてもらうことで家のどこにいてもWi-Fiが届く状況を作り上げるものをメッシュWi-Fiと呼んでいます。

おそらく空港やショッピングモールなんかで使われていた技術が、家庭用に降りてきたのだと推察しています。

続いてTP-link社製品に関わってくるメッシュWi-Fiの規格3種類を説明します。

EasyMesh

これはWi-Fiアライアンスで策定されたWi-Fiメッシュ構築時の規格です。無線LANにWi-Fi規格が策定されたように、TP-Link以外にも全てのWi-Fiルータメーカーがこれに準拠することで、異なる会社のルータ同士でもWi-Fiメッシュが構築できます。
実際には相性などで不具合が起きたりする可能性はありますが、ひとまずこれに準拠しているWi-Fiルータを購入しておけば、Wi-Fiメッシュを構築することができます。

OneMesh

これはWi-Fiメッシュ規格のTP-Link社独自の呼び方で、中身はEasyMesh準拠しています。紛らわしいからやめて欲しいんですけど。
昔のBaffaloのAOSSみたいなもんですね。ですので、EasymeshかOneMeshに準拠していると書いてあれば、他社製品を混ぜても自宅内にメッシュWi-Fiを構築できます。ただし、TP-Linkではルーターを親機、中継機を子機として設置しなければいけないらしく、少しクセがあります。
この辺が他社との相性につながるのかもしれません。

DecoMesh

これはほんとにやめて欲しい。TP-Linkの製品の中でもDecoシリーズだけで構築できるメッシュWi-Fiです。TP-Linkの他のシリーズを持っていたとしても、DecoでなければメッシュWi-Fiは構築できません。つまりうちの場合、DecoとArcher Air R5は同じTP-Linkの製品ですが、メッシュWi-Fiは構築できないことになります。おそらくまだメッシュWi-Fiの規格ができる前の製品か、囲い込みのための独自規格なのかもしれません。
今後EasyMesh規格対応商品が増えてくるかと思いますので、Deco製品は買わない方が良いかもしれません。
ちなみに制御に使うアプリケーションもDecoとArcher Air R5では異なります。中身はほとんど同じですが。

これだけいうとDecoの悪口ばかりになってしまいますが、実はDecoはブリッヂモード(それ自身が中継機になる機能)があり、他のTP-Link製品にはないそうです。サーバーやっている人にはブリッヂモードにできるのはありがたいですね。
またOneMeshと違って、親機や中継機といった概念もなさそうなので、未来永劫Decoで良いと思う方なら、こちらの方が手間がかからないかもしれません。

結局我が家ではDecoのメッシュも構築できず、ブリッヂモードにもなれない哀れなArcher Air R5が爆誕してしまいました。
製品として面白いから買ってみたものの、どうしたものか。

いつの時代もネットワーク関係は本当に難しくって悩まされます。