天空の大窃盗団:プロローグ2
前回(天空の大窃盗団:プロローグ)
そんな時に俺はあいつと出会った。
ふと俺が魔物を捜して、歩いているとどこからかうめき声が聞こえた。
俺はてっきり弱った魔物に留めを刺す瞬間だと思ってた。
男だったら奪ってやろう、女だったら手伝ってちょっとかっこいいトコでも見せてやろうぐらいなノリで、
声のする方に向かったら、予想とは全く逆のシチュエーションだった。
今まさに留めを刺さんとしてるのはリカントマムルで、ずたぼろの男が一人、必死の抵抗をしていた。
俺はリカントマムルを見るのは初めてだった。その名前は後から知ったよ。
俺はびびってしまって、それでもおそるおそる陰から覗いていたのだが、
そしたら野生の勘なのかな。ふと目が合ってしまった。
あの戦慄と言ったら今でも忘れられない。
逃げればよかったのだが、体が全く動かない。
ヤツはこちらに体を向けてきた。
やばい・・・
だが、瀕死の男はその瞬間を見逃さなかった。
持っていた鉄のそろばんで、鼻っ柱を思いっきりひっぱいた。
かなりきいていたが、次の瞬間またすぐに男の方に向き直っていた。
怒りで目の色が変わっている。このままだと男は死ぬぞ・・・
そう思った瞬間、体が勝手に動いていた。
奇声を発しながら全力で突進して、持っていたこんぼうで、鼻っ柱を渾身の力を込めてぶん殴った。らしい。
実は俺は全く覚えていないんだよな。これはあとで聞いた話だ。
さすがに同じところに二発もくらって、ヤツもまいっていたんだと思う。
痛そうにしながらも、逃げていった。
緊張の糸が切れたのか、男は気を失っていたよ。
俺は男の手当のために、ハロワに連れて帰った。
医者にベホイミをかけてもらったら、男は全回復したよ。
今考えると、あの頃はほんと弱かったな。リカントマムル程度にびびってたんだから。
思い出しては、酒の話のネタになってるな。
その後、お礼もかねて飯を奢ってもらった。
話を聞くと、年齢も近いし、境遇もそっくりなことに驚いた。
やつも根っからの「遊び人」だった。すぐに意気投合したね。
あいつも一人で仕事に出てて、仕事がきつくなっていた頃だったらしい。
次の日からは自然と一緒に仕事をするようになった。
というのがドラクエ8との出会いだ。
変わった名前だが、今でもあいつとは親友だと思っている。
この日を皮切りに、続々と仲間が増えていった。