注文住宅とデザイン

夢のマイホームプロジェクト記事第二弾。

妻と二人で間取りを勉強するためにYoutubeのバーチャル内覧会を100件近くは見たのではないか。

そのなかで朧げながら新宅への希望が見えてきたのでそれをもって住宅メーカーを訪ねてみた。。(46ではない)

実は、一般的な注文住宅建築の場合、土地を探すところから始まるが、いい土地が出たらすぐに家を設計し、ローンを組んで一括で住宅メーカーと契約しなければならず、悠長に間取りをどうこう言っている時間がない。

一方で我々は祖父の土地を譲り受けたことによって、金銭的負担だけではなく、立てる予定の間取りを十分に吟味できる時間を得ることができた。

まず、間取りの流行りについて。最近の流行りは広いベランダ、リビングの和室小上がり、キッチン横の妻作業スペース、2way玄関、シューズクロークなどなど。あると便利そうだが、本当に必要かと言われると素直に首を縦に振れないアイテムたち。

これらのアイテムについては本当に必要かを妻と話し合い、結果シューズクロークのみの採用となった。他は自分達の生活スタイルからは不要と判断した。

今回のポイントはLDKを二階にL字に配置すること、西側の視界が開けているので、そのLの窪みに窓やベランダを配置すること、水廻りと妻のアトリエを二階に設置することを大きな要望として提出していた。

その他にも細かい注文を100個以上携えて、住友林業と三井ホームに間取りの設計をお願いした。実は当初、住友林業がBF工法に魅力を感じ第一候補で、三井ホームは当て馬レベルではあった。

設計士の方は住友林業は社内設計士で40前後の方、三井ホームは外部の設計事務所で50代前後のベテランの方。それぞれに同じ希望が書き連ねてある文書ファイルといくつかの写真を渡し、待つこと2週間。

出来上がった間取りの差に驚いた。

先に住友林業の間取りを拝見したが、ある程度の希望に沿う様に設計しつつ、流行りのアイテムを取り入れたスタイル。問題はベランダに8畳ほど割いて南側に設置してあり、そのせいで妻のアトリエは1階に押しやられていたこと。ベランダの位置を変えると、階段の位置も変えねばならず、そうなるとおそらく根本的に間取りを変更せざるを得なくなっていた。基本的な動線などは確保されていたので、そのまま住んでもおそらく快適な暮らしができそうではあったが、80点くらいの優等生の出来といった印象。

一方で、三井ホーム。完璧に我々の要望が具現化されていた。もちろん動線にも無理はない。それ以外にも空間のメリハリある使い方、細かい配慮や遊び心、ワクワクする様な配置が細部まで散りばめられており、妻と二人でしばらく興奮しながら喜んだ。いわゆる120点の出来。仮に何か不都合が起こっても、ある程度許容できそうなほどに素敵なデザインであり、予算などはまだ検討の余地はあるが、心はすっかり三井ホームの寄ってしまった。

おそらく、三井ホームの間取りを住友林業に持ち込めば同じものができるのかもしれない。しかしながら、デザインは表面に現れたものだけでなく、様々な検討や知識の蓄積の上に成り立っていると考えている。

なので仮に同じものでも全体の統一感、細部の材料やデザイン、建築中などの不具合の対処などを考えると表面上を似せても完成系は全く質の異なるものが出来上がると予想している。そのため住友林業にはもう一度要望を伝え、三井を超えるデザインが出なければ三井ホームに決めようと思う。

住宅メーカーを決めるにあたって様々な部署の方に色々なプレゼンをしてもらい、徐々に絞りつつ、間取りの設計をお願いした。技術的な差異はごくわずかで最終的には担当者や各メーカーの長所の好みのレベルまで落としこまれていた。しかしながら、最後の最後に全てを覆すほどのデザインに遭遇し、デザインの強さを改めて実感するとともに、個々人の力も再認識した一コマであった。