mRNAワクチンについて 3
今回はmRNAワクチンに言われている危険性についてです。
大まかに
- アナフィラキシーショックについて
- 遺伝子組み換えするということについて
- 本当に接種者のDNAを組み替えられる?
あたりについて語っていこうかと思います。
アナフィラキシーショックとは、過剰なアレルギー反応に対して全身症状を起こし、全身の発疹や口頭浮腫、低血圧を起こす現象です。
現在のmRNAワクチンの副作用の大半がアナフィラキシーショックと言われており、その割合がどうのと騒がれております。
医療従事者として申し上げたいことは、世の中のありとあらゆるものがアレルギーとしてアナフィラキシーショックを起こす可能性があるということです。卵、甲殻類、ピーナッツは有名どころだと思いますが、中には水アレルギーの方もいらっしゃいます。
もちろんインフルエンザなどの他の異なるワクチンでも、同様にアナフィラキシーになる可能性もあります。もちろん頻度はそれぞれですが、じゃあ卵でアナフィラキシーになった人がいるから、卵の販売を禁止しろとはなりませんよね。それと同様に中にはアナフィラキシーになる方がおり、その方は本当に気の毒ですが、公衆衛生的な観点からいくとアナフィラキシーを起こさないより、コロナを蔓延させない方が人類全体として死亡者を減らせるという判断のもとにワクチン摂取推奨としているわけです。
また聞いているところによると、アナフィラキシー症状がでても適切な治療を行うことによって後遺症もなく症状は治まっている様です。
アナフィラキシーが出るからといって、mRNAワクチンが特別危険ではないと言いたいです。
続いて、遺伝子組み換えという単語に危機感を覚えている人がいらっしゃいます。ただその人は危機感の理屈を説明できないのではないかと思います。なぜなら遺伝子組み換えそのものにほとんど危険がないからです。
遺伝子を組み替えることによって、そこにコードされているタンパクの量が増えたり、タンパク自体の構造がやや変化し、それによって見た目や機能に影響が出ます。例えば植物であれば、実が大きくなったり、甘くなったり。
一方で、人間の予想し得ない効果(例えばそのタンパクそのものに毒性があったり、毒性を作り出す酵素になり得たり)を作り出す可能性は限りなく低いですが、ゼロではありません。遺伝子組み替えではそれだけが排除できないリスクとして存在し続けます。それは街中を歩いていると隕石に当たって死ぬリスクがあると言われ、では街を歩くのをやめるか、毎日ヘルメットを被って生活するか、との判断と似ているものと思います。そればかりが誇張されて本来の利益が享受できないのはなんとなくもったいないと思ってしまいます。
反対派の中には、mRNAワクチンを摂取すると自身のDNAを書き換えられて(!?)、製薬会社にDNAの著作権が移って(!?)、自分の都合の良いように書き換えられてしまう(!?)といった様な主張をTwitterで目にしたことがあります。想像力豊かだなぁとは思いますが、無知ってすごいですね。
まずmRNAですが前述の通り、すぐに分解されてしまいます。体内で何時間いるかわかりませんが、その間に筋肉から血流に乗って、何処かかの細胞内に取り込まれ、核内に侵入し、DNAの解けた領域に挿入され、DNAの修正機能やアポトーシスを免れて、細胞が増殖するという現象は、それこそ1日で猫をキーボードの上を歩かせて、シェイクスピアの序曲を書かせるようなものですね。
さらに自然界にはDNAからRNAを合成する生物はいるのですが、RNAからDNAを合成する生物(?)はレトロウイルスだけとされています。レトロウイルスに感染すればDNAにRNA遺伝子を挿入されますが、RNA単体ではまずそういったことは起きないでしょう。ましてや著作権や外部からの遺伝子操作などSFの世界であり、空が落ちてくるのを気にする古事のようです。
以上より、mRNAワクチンの危険性は今の所、その他のワクチンと同程度であり、リスクはゼロではないが、特別なリスクがあるわけではないという結論です。ただし、打った直後の倦怠感は強いらしく、医者でも仕事休む人がいるくらいです。
今日、玉石混合の情報が飛び交いますが、全ては自己責任。自分で正しい知識を身につけて、損のない人生を送ってください。