専門的になることとカグツチ
大学生として授業を受けていると、いくら寝てると言っても物事の大まかな性質やこの世のあり得ること、あり得ないことやその理由などは自然とわかるようになってきます。
ひとそれぞれあり得る、あり得ないの線引きは変わって
それは知識や経験に由来するのですが、
あり得ないことを何も根拠を無しに公言すると相手にされません。
根拠を示せた人はもれなくノーベル賞を取るわけです。
そんなわけで、その道の専門家でない人のある程度つっこんだ作品を見るとどうしてもあら探しをしてしまう。
例えば、映画ボルケーノで溶岩の上に宙ぶらりんになって危機一髪とか。
熱は接しているものか空気なら上に向かうので、そんなことしたら消し炭になります。
あとアルマゲドンで隕石の上では、車は無重力で飛ぶのに岩はごろごろ落ちてくると。
要は都合のいいところで作者の思惑通りの設定変更を見破ってしまうと一気に冷めてしまいます。
アルマゲドンはそういうところが多くて、僕の中でコメディに分類されています。
もしこのブログを読んでる方がいるのなら、
そういう方もこのような経験をされた方がいるのではないでしょうか?
そのようなつっこみどころが満載なのが、マガジンで定位置をキープして風前の灯火の
「カグツチ」
原作は石黒耀さんの「死都日本」という本だそうです。
原作はまだ読んでないので、漫画から読み解けることをしばし。
内容は聴覚に優れた主人公が、九州にある火山の噴火を予知、回避しサバイバーと言った内容なのですが、作者の物の知らなさを感じずにはいられません。ゆとり??
~超超局所的液状化現象~
「地震による液状化現象により、主人公の周囲2mが突然底なし沼となる。」
色んなところで議論され尽くされていると思いますが、そんな局所的に液状化しない。
そもそも固体でも長い目で見れば流体の様な動きをします。
その例が氷河。氷なのに流れますよね?また砂のように粒子が細かくなるとその傾向は顕著になります。マーブルチョコなんかも傾けると、流れるように出てきますよね。
ある条件下ではその傾向が特に顕著になります。例えば水を含む、ある周波数の振動を与える等。
それが液状化現象で、液体になるわけではなく液体のように振る舞うのです。
地震などは振動がそれこそ地球規模で起きるわけで、あんなピンポイントで液状化はしない。
しかも相当密度のあるものでないと沈まないし。少なくとも砂の方が密度あるでしょ。
一番の問題は仮にこれが起きたとして、
ちょっと踏ん張れば手が届く位置に岸があるのに諦める主人公。
完全に不良と仲良くさせたかったシナリオですね。無理ありすぎ。
~火砕流に巻き込まれ、車がその下に埋もれる~
ふれるとジュッと音が鳴る、靴が溶けるレベルのものに埋まったら蒸し焼きになります。
サウナにいるより過酷だと思うんですが、先に心配するのは酸欠ですか?
外に出たら出たで、おめめぱっちり開けてるし、半袖だし。完全に全身水ぶくれ、失明の危険性があります。
~メガトン級の水爆200万発分のエネルギー~
ぱっと聞いて、それがやばいのかやばくないのか全くわからない。
地球規模の震災のエネルギーは人が作った物で換算すると数が偉いことになるし。
ちなみに原爆や水爆の威力はTNTの重さ換算の単位なのだそう。
日本に落とされた原爆の威力は15キロトン~20キロトンだそう。
TNT一グラムで約4kJだそうです。
1キロは1000、1メガは百万です。
原作にこういう表記があったのかないのかは知りませんが、
よくわからん。
ちなみに地震の威力をしめすマグニチュードに変えたら11.7。
2kmの隕石(密度3 g/cm^(-3))が40 km/sで落ちてくる衝撃です。
地球全体が10年かけて放つエネルギーに相当します。
このエネルギーの噴火が起こる起こらないは別として、
仮に起こったら、まず地球が揺れます。
噴火のエネルギーの千分の一が揺れに変換されてもマグニチュード9.7、震源地0km。
未曾有の大地震です。
日本、中国は火山灰を心配する前に震災、津波を心配しましょう。
残りの999/1000も確かに心配ですが。
来週は水蒸気爆発とか仰るのでしょうか。
それこそ、人が生きちゃいけない温度ですよ。
しかもあんな灰だらけの水を汲みに行かせるとか。
いつの間にかマスクないし。
だれかを殺したくて仕方なかったんだなぁ。
と、つっこみどころが多くてある意味楽しいです。
いつまで続くか。つか変なお色気いらね。
因みに今週のコードブレイカーにも素敵な台詞がありました。
「青い炎を一気に燃焼させ気化熱によって乱流を作り出し、空気の渦で引き寄せたのさ。
旋風ってヤツ?」
炎は燃焼しないし、燃焼と気化熱は全く関係ないし、乱流なんて手を振れば作り出せるし空気の渦と関係ないし、旋風で中心に引き寄せられたって人はいないと思う。渦は「上昇気流」の安定形態だし。
中心に向かう力は少ないと思う。
それと引き替えバガボンドの井上先生の事務所には当時の文化、生活などに関する本が所狭しとならんどりました。
それがどう反映しているかわかりませんが、とりあえずあの本の量を見るとよく考えて作品を製作し、
それ故にいい作品ができていることを納得できます。