編入、再入学、多浪、多留について

僕自身が医学部に編入して、ストレートに入った学生とちょうど10年違う立場として思うこと。Twitterなどで一部見る、再入学や多浪、多留などの、人より時間がかかったことをさも努力したとか苦労したとか言って持て囃す風潮は間違っている。

基本的にストレートで入って一心に技術を磨いてきた方達の方がよほど凄いわけで、多浪、多留など人たちが例が少ないことをまるで希少価値をのあるブランドのようにひけらかしている様は滑稽甚だしい。

例えば、他で仕事をしていたなどの経験を活かしたりして、他の人と違った貢献をした際には大々的に発表すべきだが、多浪や多留のように本来であればしなかった余計な工数と時間を努力と呼ぶのは本末転倒で、そういう状況に陥らなかった努力が賞賛されるべきである。

そういった人たちが集まってはしゃいでいる姿は傷の舐め合いというに相応しい見るに堪えない光景である。いわゆるヤンキーの善行だが、本人達に自覚がない分よりタチが悪い。

最近年齢を理由に新卒として扱われなかったことや、企業に多様性を求めるような文章を書いていたが、自分から多様性枠に進んでおきながら、それを他人に許容させるのは不尊であるし、ただの浪人であればそれは経験ですら無いのだから、忌避されて当然だろう。自分で勝手にブランディングしておきながら、そのブランドを認めてくれなんて身勝手にも程がある。

類は友を呼び、その中で自分の状況を黙認し続けているから気づけないのだ。世の中にはそのような無駄な工数をかけずに、より緻密に努力を重ね、同じかそれ以上に成果を出す人がいることに。

大学入試はゴールではない。ただのスタートラインである。そこから何を為せるかが肝心であるが、再入学も多浪、多留もその感覚が抜け落ちている。だから入学後も社会に出てもいつまでもその数字に拘りつづける。周囲の学生がドン引きしていることにも気づかず、一部の類友に称賛し続けられる限り。

勉強したいなら1人ですれば良いし、医学部再入学を狙うならわざわざTwitterで宣言する必要もない。誰が模試でどんな点を取ったかなんて確認する必要もないし、受験生同士で励ましあう必要もない。むしろ他の受験生は敵だから。

永遠にその界隈で燻り続けてくれ。