痩せるという化学反応 ~エネルギー代謝 タンパク質~1

ここからは糖以外のエネルギー代謝をおさらいしていこうと思います。

糖以外にエネルギーになるのはタンパク質とにっくき脂肪です。

ここではまずタンパク質のエネルギー代謝を説明します。

ます、タンパク質とはなんぞやというところから。

タンパク質とは20種類のアミノ酸が不規則に化学結合した高分子化合物の総称です。

アミノ酸の並び方によってタンパク質の機能が異なり、あるものは筋肉や髪の毛、爪などの体の構造物になり、またあるものは酵素(〇〇アーゼ)と呼ばれる体内での化学反応を促進する触媒の働きを持つものになります。コラーゲンもタンパク質の一種です。

ちなみにアミノ酸が10個程度結合したものをペプチドと呼びますが、基本的には分子が短いだけで本質的にはタンパク質と同等のものです。

タンパク質は口から摂取すると、膵臓から出るプロテアーゼ(これもタンパク質でできた酵素)などにより2~3個アミノ酸が繋がった状態(ジペプチド、トリペプチド)まで分解されます。それら分解された状態で消化管から吸収され、血流に乗り必要な場所まで送り届けられます。必要な場所では細胞の中で再度緻密に一個一個アミノ酸を繋げていき、必要なタンパク質となります。

話は脱線しますが、タンパク質は摂取してもそのままの形で体内に届けられないということです。よくコラーゲンを食べるとお肌に良いとありますが、コラーゲンを摂取しても分解されたコラーゲンペプチドは再び体内でコラーゲンになるとは限りません。世の中そう信じている方が非常に多いですね。同じようにお肌からも吸収されません。

髪の毛食べてもハゲが治るとは誰も思っていないでしょうに。

非常に大事な機能があるので、タンパク質がエネルギーとして代謝されるのはおもに飢餓状態に陥り、体が緊急事態になった時のみです。

タンパク質のエネルギー代謝は一度アミノ酸に分解するところから始まります。

分解されたアミノ酸はその種類によって、先に説明したクエン酸回路の物質に各々変換されて、糖と同じようにクエン酸回路と電子伝達系を経ることでATPを産生します。

飢餓状態に陥ると筋力が落ちたり、脱毛したり、肌艶が落ちるのは体内のタンパク質が消費されているからです。また、血液中にあるアルブミンというタンパク質も減少するので、浮腫の原因になったりします。

適正体重の方がダイエットと称して無理な減量を行うと、むしろ見た目の健康さを失ってしまうわけです。美しさを上げるためのダイエットなのにこれでは本末転倒です。

また、後で詳しく説明しますが、筋肉は基礎代謝の重要な要素なので、痩せる、脂肪を落とすという観点から、むしろタンパク質はしっかり摂取し、筋肉量を落とさないことが重要となってきます。

次回は痩せるという観点から非常に重要な脂肪の代謝を見ていきたいと思います。

続く