貯”筋”のススメ
今回は老化に関連する話です。老化現象の大部分は代謝速度の低下が本質となります。
怪我は治りにくくなり、食欲も低下し、筋力も低下し、血管も硬化していきます。
特にこれといった大病をしなくても、
年齢を重ねると筋肉量が減って筋力が衰える「サルコペニア」や、
全身の筋力や活力が低下する「フレイル」といった状態に陥ります。
この状態になると些細な躓きから踏ん張りが効かずに転倒し、
大腿骨頭の骨折や頭部外傷などにつながりかねません。
高齢の方が一旦床に伏せると、更なる筋力の低下や認知機能の低下を招くことになり、
大袈裟でもなく単なる躓きが人生の分岐点となる事例も多々あります。
ご高齢の方の筋肉がつきにくい原因は一つは加齢ですが、もう一つは食欲の低下にあります。
元々日本人はタンパク質の摂取量が足りないと感じますし、ご高齢の方ではさらに顕著になります。
また生活習慣病などで塩分や脂質を気にしなければならない方は、さらにタンパク質のみを取る手段が限られてきます。
それらを防ぐためにはバランス感覚と共に絶対的な筋肉量が必要になります。
しかしながら年を取ってから筋肉をつけるのは難しく、一度生活に必要な筋力を失ってから、再びその筋力を取り戻すことは容易ではありません。
そのため、若いうちから「貯筋」、つまり筋肉を貯めておくことで、そういった状態を予防して行こうというお話です。
若い時期は筋肉がつきやすいので、その時期に運動習慣を身につけて筋肉をつけておくことが大切です。
また、腎臓に疾患がない限り粉のプロテインをちょっとでも摂るだけでも筋肉の付き方が変わるのではないかと思っています。
筋肉があることで転倒しにくくなり、バランス感覚が養われ、生活習慣病の予防や骨強化にもつながります。
街中を見ていても、この人若いからなんとかなってるけど、歳取ったら何もできなくなりそうって人すごい多いのです。
頭部外傷のほとんどがわずかな段差でつまづいたり、家の中でバランスを崩したりしただけのものが圧倒的に多いです。
一部の方は心臓系の疾患や脳梗塞などを経験し、抗血小板薬や抗凝固薬などの血液サラサラのお薬を飲んでいることもあり、2時間出血が止まらず、血だらけで搬送される例も経験しています。
ですので、一番若い今から筋肉を貯筋して、健康的な老後を過ごしていただきたいと思います。
