114回 医師国家試験 A ブロック

1 疾患と標準治療の組合せで誤っているのはどれか。
a 蕁麻疹—H1受容体拮抗薬内服
b 食物アレルギー—-原因食物除去
c アトピー性皮膚清炎—-副野皮質ステロイド外用
d アナフィラキシー—-アドレナリン静注
e 気管支職息発作(急性増悪)—β2刺激薬吸入

2 慢性咳戦の原因疾患とその特徴の組合せで誤っているのはどれか。
a COPD—喫煙歴
b 咳喘息—季節性
c アトビー—咽喉頭搔痒感
d 胃食道逆流症後鼻漏
e 副鼻腔気管支症候群—膿性痰

3 NICU に入院している日齢2(在胎 30 週2日)の新生児。血小板数の確認のため
末梢血血液を検査をすることとなった.
検体提出のために必要な物品の写真(別冊No.1)を別に示す。
正しいのはどれか。
a 1
b 2
c 3
d 4
e 5

掌蹠多汗症について誤っているのはどれか。
a 精神性発汗は充進する。
b 汗腺の数が増加している。
c 真菌や細菌の感染を起こしやすい。
d 治療にはイオントフォレーシスが用いられる。
e Minor 法はヨードデンプン反応を利用した検査法である。

5 病態や疾患と欠乏が疑われる微量元素やビタミンとの組合せで正Lいのはどれか。
a 匙状爪—銅
b 味覚異常—亜鉛
c 出血傾向—ビタミン A
d ペラグラ—ビタミン B2
e 骨軟化症—ビタミンC

6 甲状腺全摘術後に発症したテタニーに対し、直ちに投与すべきなのはどれか。
a 抗甲状腺薬
b 抗けいれん薬
c カルシウム製剤
d ビスホスホネート製剤
e 活性型ビタミンD製剤

7 疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
a 多発肝細胞癌—経カテーテル的動脈化学塞栓術(TACE)
b 胆石合併胆養—腹腔鏡下胆嚢摘出術
c 特発性門脈圧充進症—門脈内ステント留置
d 膵管内乳頭粘液性腫場—膵管ステント留置
e 急性化膿性閉塞性胆管炎—胆管切除術

8 選択繊黙について正しいのはどれか。
a 思春期に多い。
b 聴力は正常である。
c 言語理解の障害が原因である。
d 脳波検査が診断に有用である。
e 練習による治療が有効である。

9閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者で催患リスクの高い疾患または病態に含まれないのはどれか。
a 心不全
b 突然死
c 高血圧症
d 心房細動
e 収縮性心膜炎

10 頭蓋内血管による脳神経の圧迫で起こるのはどれか。
a片頭痛
b三叉神経痛
c 本態性振戦
d Parkinson 病
e 側頭葉てんかん

11 挙児希望のある関節リウマチの女性に対して、妊娠前にあらかじめ中止すべき治療薬はどれか。
a タクロリムス
b インドメタシン
c エタネルセプト
d メトトレキサート
e サラゾスルファピリジン

12 小児急性中耳炎の難治化に関連しないのはどれか。
a 年齢6歳以上
b 免疫能の低下
c 鼻副鼻腔炎の合併
d 集団保育所への通所
e 薬剤耐性菌の耳漏内検出

13 IgG4関連疾患の腎病変について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 思春期に好発する。
b 間質性腎炎を認める。
c 初発症状は発熱が多い。
d 半月体形成性腎炎を認める。
e 治療は副腎皮質ステロイドが第一選択である。

14 心エコー図(別冊No. 2A~C)を別に示す。認められる所見はどれか。2つ選べ。
a 心室瘤
b 心嚢液貯留
c 僧帽弁狭窄
d 非対称性心室中隔肥厚
e 僧帽弁收縮期前方運動

15 成人の推算糸球体濾過量(eGFR)の計算に必要な項目はどれか。3つ選べ。
a 年齢
b 性別
c 尿量
d 尿蛋白量
e 血清クレアチニン値

16 19歳の男性。左手掌のしびれ感を主訴に来院した。
一年前から大学のサークルでギターの練習を毎日6時間行っていた。1か月前から左手掌にびりびりするしびれを自覚するようになった。しびれ感は起床時やギターの練習中に出現するという。身長172cm、体重62kg。脈拍64/分、整。
血圧 116/62 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腱反射は正常で、筋萎縮は認めない。他覚的感覚障害も明らかではないが、ある肢位を1分間継続すると左母指から中指の手掌側にしびれが誘発された。その肢位(別冊No.3)を別に示す。考えられるのはどれか。
a 手根管症候群
b 肘部管症候群
c 胸郭出口症候群
d 頸椎症性神経根症
e 前骨間神経症候群

17 2か月の乳児。新生児聴覚スクリーニングで精密検査が必要となり、両親ととも
に来院した。家族の呼びかけや周囲の音への反応はほとんどない。身長・体重は月
齢相当である。外耳道と鼓膜とに異常を認めない。側頭骨 CTでは中耳・内耳に異
常を認めない。聴性脳幹反応〈ABR〉は両耳とも無反応である。耳音響放射〈OAE》
では、両耳で低中音部に残存聴力が確認された。医師から両親への説明として適切なのはどれか。
a 「機能性難聴です」
b「補聴器装用を開始しましょう」
c「副腎皮質ステロイドで治療します」
d 「人工内耳埋込み術をすぐに予定します」
e「1歳6か月児健康診査まで様子をみてください」

18 77歳の男性。両下肢足底の紫色変化を伴う疼痛を主訴に来院した。3週前に急
性冠症候群のため緊急入院し、同日に経皮的冠動脈形成術を受けていた。1週前から
疼痛を伴う皮膚変化が出現したため受診した。3週前の血清クレアチニン値は1.2
mg/dLであった。喫煙歴は30本/日を50年間。身長153cm、体重52kg。脈拍
80/分、整。血圧 152/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫
を認めない。両足底に疼痛を伴う暗紫色皮班を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)。
血液所見:赤血球350万、Hb 10.3g/dL、Ht 31%、白血球
7,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球60%、好酸球 15%、単球5%、リンパ球
15%)、血小板 15万。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL、アルブミン 3.4g/dL、
尿素窒素 38 mg/dL、クレアチニン 2.8 mg/dL、総コレステロール 290 mg/dL、ト
リグリセリド 240 mg/dL。免疫血清学所見:CRP 1.8 mg/dL、MPO-ANCA 陰性、
PR 3-ANCA 陰性。足底の写真(別冊No.4)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a 悪性腎硬化症
b 紫斑病性腎炎
c 腎静脈血栓症
d ANCA 関連血管炎
e コレステロール塞栓症

193歳の男児。5日前から右の眼瞼下垂が出現し、次第に目立ってきたため、
祖母に連れられて受診した。1年前の写真では両側とも眼瞼下垂はなかった。
外傷の既住はない。意識は清明で、活発に走り回っている。右優位の両側眼下を認めるが、
祖母によると朝は目立たず、夜になると悪化するという。嚥下に問題はない。
四肢の筋はなく、反射は正常である。視力は右0.8(1.2% +1.0D)、左0.7(1.2x+1.0D)
で乱視は認めず、眼球運動にも異常を認めない。
一断に有用なのはどれか。
a 脳波
b 脳脊髄液検査
c ボリソムノグラフィー
d 聴性脳幹反応〈ABR>
e エドロホニウムテスト

20 24歳の女性。頭痛と発熱のため三日前から入院中である。2週間から微熱と多関節痛を自覚していた。入院時、身長160cm 体重 48kg。体温38.3℃。脈拍 92/分、整。血圧 126/74 mmHg。呼吸数18/分。頬部紅斑、無通性の口腔内潰瘍を認める。両手関節、両膝関節に圧痛を認める。
血液所見:赤血球326万、Hb 10.4g/dL、Ht28%、白血球2,600 (桿状核好中球 70%、分葉核好中球12%、好酸球2%、リンパ球 16%)、血小板23万。
免疫血清学所見:CRr0.1mg/dl、リウマトイド(RF)陰性、抗CCP抗体陰性、抗核抗体陽性、抗dsDNA抗体134IU/mL (基準12以下)、Sm抗体陽性。抗β2-GPI抗体陰性、抗カルジオリピン抗体陰性、ループス抗凝固因子陰性。
入院2日目から見当識障害を認め、その後せん状態となった。
脳脊髄液所見:無色、水様透明。初圧130mmH20(基準70~170)。
細胞数 52/mm²(基準0~2)(多核球 20%、単核球 80%)。蛋白87 mg/dL(基準15~45)。
新48 mg/dL(基準 50~75)。頭部 MRIで異常を認めない。
この患者の治療で副腎皮質ステロイドと併用する薬剤として適切なのはどれか。
a コルヒチンか
b 抗TNF-α抗体
c メトトレキサート
d 抗IL-6受容体抗体
e シクロフォスファミド

21 78歳の男性。皮下出血を主訴に来院した。1週前に誘因なく左上肢に皮下出血
が出現し、その2日後には右上肢、そして今朝目が覚めると両側大腿部にも広範な
皮下出血が出現した。労作時息切れもあり家族に付き添われて受診した。意識は清
明。身長168cm、体重58kg。体温36.3℃。脈 拍104/分、整。血 圧130/80
Inng。呼吸数 247分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。表在リ
ンパ節を触知しない。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取す
る。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢と側
腹部に広範な紫斑を認める。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 284万、
Hb8.6g/dL、Ht 25 %、白血球4,200(分葉核好中球 66%、好酸球5%、好塩基球
1%、単球 13%、リンパ球 15 %)、血小板 32万。PT-INR 1.1 (基準 0.9~1.1)、
APTT 72.2秒(基準対照 32.2)。診断に有用な検査はどれか。
a 骨髄穿刺
b 皮膚生検
C Coombs試験
d 抗血小板抗体の測定
e 第VIII因子活性の測定

22 32歳の女性。未経妊。挙児希望を主訴に来院した。29歳時に結婚し避妊はして
いないが、これまでに妊娠したことはない。不正性器出血はない。初経 12歳。月
経周期 40~90日、不整。身長 160cm、体重70kg。内診で子宮は正常大で付属器
を触知しない。不妊症の検査として有用でないのはどれか。
a 子宮鏡検査
b 超音波検査
c 基礎体温測定のみ
d 子宮卵管造影検査
eプロゲステロン負荷試験

23 48歳の女性。めまいを主訴に来院した。今朝、庭仕事中にしゃがんだ姿勢から立ち上がったところ、一瞬、気が遠くなるようなめまいが出現し転倒したため受診した。
意識消失はなかった。このようなめまいは4、5日前から時々あり、
全て立ち上がる時に出現していたという。
診断のために確認する優先度が最も低いのはどれか。

a 心雑音
b 低血圧
c 頸部血管雑音
d 聴力の左右差
e 眼瞼結膜の貧血

24 18歳の男性。発熱、嘔吐および下痢を主訴に来院した。1週前に自宅で熱湯,
より、前腕に水垢を伴う熱傷を負った。自宅近くの診療所で軟膏を処方され様子
をみていたが、本日になり発熱、嘔吐および褐色でやや粘度のある下痢が出現したた
め、家族に付き添われて受診した。意識レベルはJCSI-20 身長165cm、体重56
kg。体温39.0℃。脈拍数 112/分、整。血圧80/40 mmHg。呼吸数24/分。SpO2
77 % (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異音
を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。全身に紅斑を認める。熱傷
部はびらんとなっている。血液所見:赤血球 420万、Hb 13.2 g/dL、Ht 42%、網
赤血球 1.2%、白血球9,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球45%、好酸球11
%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球 17%)、血小板 25万。血液生化学所見:総
蛋白7.5g/dL、アルブミン 3.9g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 28 U/L、
ALT 18 U/L、LD 178 U/L(基準 120~245)、ALP 120 U/L(基準 115~359)、Y-GT
9U/L(基準8〜50)、CK 46 U/L(基準 30~140)、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチ
ニン1.2 mg/dL、Na 131 mEq/L、K4.2mEq/L、C1 97 mEq/L。CRP 4.4 mg/dL。
原因微生物として最も考えられるのはどれか。

a 大腸菌
b 緑膿菌
cカンジダ
d 肺炎球菌
e 黄色ブドウ球菌

25 30歳の男性。このところ仕事に身が入らず遅刻が目立つようになったため、上司からの勧めで産業医面談を受けた。面談で精神科受診を勧められて来院した。
入社以来、事務職に携わってきたが、3か月前に営業職に異動した。
約1ヶ月前から平日は食欲が低下し、なんとなく元気が出なくなった。休みの前日は熟睡できるが、それ以外の日はなかなか寝つけず、一旦寝ついても職場の夢をみて夜中に目がい
ることが多くなった。欠勤はなく、休日は趣味のサーフィンを以前と変わらず楽しめているという。初診時の対応として適切なのはどれか。
a_休職を勧める。
b 頑張るよう励ます。
c 抗うつ薬を処方する。
d 投影法の心理検査を実施する。
e 仕事に関する本人の考えを聞く。

26 38歳の初妊婦(1妊0産)。発熱、悪寒および腹部緊満を主訴に来院した。妊娠
30週。妊娠経過は順調で胎児の発育も問題ないと言われていた。既往歴に特記す
べきことはない。意識は清明。身長 161 cm、体重60kg。体温38.8℃。脈拍
96/分、整。血圧 120/74 mmHg。呼吸数 20/分。胎児心拍数陣痛図で頻脈を認める
が基線細変動は中等度、一過性頻脈を認めるが一過性徐脈は認めなかった。
尿所見:色調は黄色、比重1.010、pH 6.0、蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血
(-)、沈渣に赤血球 0~1/HPF、白血球 10~19/HPF。血液所見:赤血球 388万、
Hb 12.0g/dL、Ht 35%、白血球 13,100(桿状核好中球 17%、分葉核好中球 61%、
好酸球2%、好塩基球 0%、単球 10%、リンパ球 10%)、血小板 25万。血液生化
学所見:総ビリルビン1.0 mg/dL、AST 32 U/L、ALT 24 U/L、尿素窒素120
mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、血 糖98mg/dL、Na 136 mEq/L、K 3.8
mEq/L、C1 100 mEq/L。尿培養と血液培養の検体を採取した後にセフトリアキソ
ンの経静脈投与を開始した。翌日、血液培養が2セットとも陽性になったと連絡を
受けた。連絡を受けた時点で体温38.5℃、腹部緊満は持続していた。血液培養ボ
トル内容の塗抹Gram 染色写真(別冊No.5)を別に示す。
適切な抗菌薬治療の方針はどれか。
a アンピシリンに変更する。
b 感受性試験結果が出るまでセフトリアキソンを継続する。
セ フトリアキソンを中止して経過を観察する。
d メロペネムに変更する。
e レボフロキサシンに変更する。

273歳の女児。3歳児健康診査で眼位異常を指摘されて来院した。
視力は右0.3(0.5×t3.0D)、左0.4(0.8×+3.5D)。眼位写真(別冊No.6)を別に示す。
調節麻痺薬点眼後の矯正視力は右(0.5x+6.0D)、左(0.9x+6.0 D)であった。
治療として適切なのはどれか。

a 右+6.0D、左+6.0Dの眼鏡処方
b 右+3.0D、左+3.0D の眼鏡処方
c 右+3.0D、左+6.0 D の眼鏡処方
d 近方注視訓練用
e 斜視手術

28 3歳1か月の男児。3歳児健康診査で低身長を指摘され両親に連れられて受診した。在胎35週3日、母体妊娠高血圧症候群のため緊急帝王切開で体重2,160g(>10 パーセンタイル)、身長 44.0cm(>10パーセンタイン緊急帝王切開で出生した。早産と低出生体重児のため2週間 NICUに入院した。NICU 入院後2日間は哺乳不良を認めた。1歳6か月児健康診査で歩行可能であり、「ママ」などの有意語は数語認められた。低身長、低体重のため6か月ごとの受診を指示されていたが受診していなかった。偏食はなく保育園で他の同年齢の子どもと比較して食事量は変わらない。自分の年齢、氏名を答えることができる。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は
坦、軟で、肝・脾を触知しない。外性器異常は認めない。父の身長は175cm、母
の身長は160cm。患児の成長曲線(別冊No.7)を別に示す。
可能性が高い疾患はどれか。
a クレチン症
b Cushing 症候群
c Prader-Willi 症候群
d 成長ホルモン分泌不全性低身長症
e SGA性低身長

29 50歳の男性。糖尿病治療の目的で来院した。1か月前から両眼のかすみと視力
低下を自覚して自宅近くの医療機関の眼科を受診したところ、両眼増殖糖尿病網膜
症と診断され、内科を紹介されて受診した。これまで健康診断は受けていなかっ
た。職業は自営業でデスクワークをしている。この1年間で体重は8kg減少して
いる。身長170cm、体重62kg。脈拍72/分、整。血圧182/102mmHg。両側アキ
レス腱反射は消失している。両側足関節の振動覚は著明に低下。尿所見(空腹時):
蛋白3+、糖3+、ケトン体1+、潜血(-)。血液生化学所見(空腹時):尿素窒素
38 mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、血糖348 mg/dL、HbA1c14.6%(基準
4.6~6.2)、トリグリセリド 362 mg/dL、HDLコレステロール 28 mg/dL、LDLコ
レステロール 128mg/dL、Na 136 mEq/、K 5.2 mEq/L、Cl98mEq/L。
この患者の食事療法として正しいのはどれか。
a 塩分摂取量は10g/日とする。
b 蛋白摂取量は 45g/日とする。
c 総エネルギー量は1,400 kcal/日とする。
d 糖質の割合は総エネルギー量の40%とする。
e コレステロール摂取量は1,000 mg/日とする。

30 72歳の男性。左足のしびれ感と歩行困難を主訴に来院した。進行期肝癌の加療
中で、6か月間で体重が5kg減少した。本日、自宅で足を組んだ状態で1時間程
度テレビを見た後に歩こうとすると、床に左足のつま先が引っかかり、何度か転び
そうになったため来院した。意識は清明。身長 162cm、体重49kg。体温36.3℃。
脈拍68/分、整。血圧 108/72 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。左足
背部に鈍いしびれ感がある。下腺に腫脹は認めず、足背動脈は両側とも触知良好。
腱反射は両側上下肢とも正常。徒手筋力テストで、上肢は左右差なく正常、下肢
(右/左)は股関節屈曲5/5、膝関節伸展5/5、足関節背屈5/1であった。腰椎MRIで明らかな異常を認めない。確定診断のため有用な検査はどれか。
a 骨密度測定
b 脊髓腔造影檢查
c 骨シンチグラフィ
d 末梢神経伝導検査
e下肢動脈超音波検査

31 A 26-year-old woman presented to the emergency room with palpitations and
shortness of breath that started suddenly while she was eating breakfast.
Although the health-screening examination performed three weeks ago showed
delta waves in her ECG, echocardiography taken at a nearby hospital showed no
abnormal findings. At presentation, she was slightly hypotensive with a blood
pressure of 96/68 mmHg. Her ECG on admission showed a narrow QRS-complex
tachycardia at a rate of 180/min. Neither ST elevation nor T wave abnormality
was present.
What is the most probable diagnosis of the arrhythmia?
a Sinus tachycardia
b Sick sinus syndrome
c Ventricular tachycardia
d Supraventricular tachycardia
e Complete atrioventricular block

32 26歳の女性。NSAID の追加処方を希望して来院した。15歳ころから月経時に
下腹痛があり市販の鎮痛薬を常用していた。6か月前から月経痛が強くなり受診し
た。精査の結果、子宮と卵巣に異常がなく機能性月経困難症と診断され、NSAID
を処方された。その後も疼痛が続いたため、NSAID を倍量にして連日服用してい
たという。本日、NSAID のさらなる増量を希望して来院した。
追加処方にあたり注意すべき事項として誤っているのはどれか。
a 浮腫
b 鼻出血
c 血圧上昇
d 乳汁漏出
e 上腹部痛

53 23歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。2週前から続く咳聴および喀痰、4日前からの
発熱がある。1か月前から喫煙を始めたという。呼吸数22/分。Sp0289
%(room air)。心音に異常を認めない。両側背部にfine cracklesを聴取する。
胸部エックス線写真で両側びまん性のすりガラス陰影および浸潤影を認める。
胸部CTでは、小葉間隔壁の肥厚を伴うすりガラス陰影、区域を超えた浸潤影を認めた。
で肺生検組織で著明な好酸球浸潤を認めた。気管支肺胞洗浄液中の好酸球は42%と増
加を認めた。
本疾患の特徴として誤っているのはどれか。
a 気管支喘息の合併が多い
b 喫煙が誘因となり得る。
c 初期の末梢血好酸球数は正常である。
d 治療後の再発は少ない。
e 副腎皮質ステロイドの反応性は良好である。

34 84歳の男性。全身倦怠感と尿量の減少を主訴に来院した。3年前に胃癌の診断
で幽門側胃切除術を受けたが、2年前から受診を中断している。3週前から全身倦
怠感が出現し、5日前から尿量が減少したため受診した。意識は清明。体温36.7
℃。脈拍 80/分、整。血圧 140/84 mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜は軽度貧血様。
で、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、
軟で、上腹部に手術痕を認める。両下肢に圧痕性浮腫を認める。血液所見:赤血球
382万、Hb 11.1g/dL、Ht 35 %、血小板 10万。血液生化学所見:アルブミン 3.2
g/dL、総ビリルビン1.3 mg/dL、AST 38 U/L、ALT 42 U/L、LD 230 U/L(基準
120~245)、尿素窒素(40 mg/dL、クレアチニン2.8 mg/dL、Na132 mEq/L、K
5.6 mEq/L、C1 98 mEq/L、CEA7.8ng/mL(基準5以下)、CA19-969 U/mL(基
準 37 以下)。CRP 2.1 mg/dL。腹部超音波検査で膀胱内に尿を認めない。胸部
エックス線写真で心胸郭比56%。腹部単純 CT(別冊No. 8)を別に示す。
まず行う処置として適切なのはどれか。
a 血液透析
b 大量輸液
c 利尿薬投与
d 尿管ステント留置
e 尿道カテーテル留置

35 67歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。玄関先で倒れているところを
妻が発見し、救急車を要請した。4日前にろれつの回らない状態が出現したが翌日
には軽快していた。2日前の夕方から38°C台の発熱があった。昨日には再びろれっ
の回らない状態が出現した。脳梗塞の既往はない。意識レベルはGCS 11(E3V3M5)。
身長 170cm、体重68kg。体温38.2℃。心拍数88/分、整。血圧 112/78 mmHg。
眼瞼結膜は貧血様、眼球結膜に黄染を認める。四肢に紫斑を認める。血液所見:赤
血球214万、Hb6.5g/dL、Ht 20%、白血球7,400、血小板0.4万。血液生化学所
見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン 3.7g/dL、総ビリルビン3.9mg/dL、直接ビリ
ルビン 0.5mg/dL、AST 59 U/L、ALT 29 U/L、LD 2,350 U/L(基準 120~245)、
ALP 216 U/L(基準 115~359)、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン2.8mg/dL、
尿酸19.2 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.1 mEq/L、CI 101 mEq/L。頭部 MRIでは
急性期の微細な多発性脳梗塞を指摘された。末梢血塗抹 May-Giemsa染色標本(別
冊No.9)を別に示す。
この患者の診断を確定するために最も重要な検査項目はどれか。
a FDP
b PT-INR
c 出血時間
d ハプトグロビン
e ADAMTS-13 活性

36 4歳の男児。体幹の白斑を主訴に父親に連れられて来院した。生後5か月で体幹
他に白斑があるのを父親が発見した。その後、増数してきたため受診した。1歳時に
けいれんの既往がある。受診時、臀部と大腿部を中心に大小の白斑を認める。顔面
では鼻部中心に丘疹が散在している。大腿部の写真(別冊No. 10)を別に示す。
この患児で思春期以降に出現する可能性が高いのはどれか。
a脂腺母斑
b 神経線維腫
c 爪囲線維腫
d 聴神経腫瘍
e 単純性血管腫

37 68歳の男性。上前胸部痛を主訴に来院した。1年前から上前胸部痛を自覚していたという。1か月前から上前部の疼痛が増悪したため受診した。両手掌に膿疱性皮疹を多数認める。両側の近
位指節間関節の腫脹と圧痛を認める。両側胸鎖関節の背性別
と圧痛を認める。両側胸鎖関節の骨性肥厚と熱感および圧痛を
認める。この患者の胸部エックス線写真(別冊No. 11)を別に示す。
関節病変の原因として最も考えられるのはどれか。
a 関節リウマチ
b 強直性脊椎炎
c 慢性疲労症候群
d 掌蹠膿疱症性骨関節炎
e リウマチ性多発筋痛症

38 76歳の男性。肺癌治療のため入院中である。根治術として、右肺下葉切除およ
びリンパ節郭清術を施行された。胸腔ドレーンからの軽度の空気漏れが手術直後か
ら観察されたが、胸部エックス線写真では肺の膨張に問題はなかった。術後3日
目、胸腔ドレーンからは依然空気漏れを認めている。手術直後の胸部エックス線写
真(別冊No. 12A)及び術後3日目の胸部エックス線写真(別冊No.12B)を別に示
この患者で認められる所見はどれか。
a 紅斑
b 皮下血腫
c 皮下握雪感
d 表在静脈拡張
e 鎖骨上リンパ節腫脹

39 44歳の女性。左下肢の腫脹を主訴に来院した。1年前から発熱と口腔内や陰部
に痛みを伴うびらんと潰瘍、移動性の関節痛、下腿から足部の頭尾方向に延びる発
赤を伴う有痛性皮疹を繰り返していた。3週前から左下腿の腫脹、疼痛が出現し
善しないため受診した。意識は清明。身長158cm、体重45 kg。体温 39.9℃。脈
00/分、整。血圧96/60 mmHg。口唇粘膜にアフタ性口内炎を認める。心音と
呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。表在リンパ
を認めない。左下腿から足関節部にかけて軽度の熱感を認める。四肢関節
張や圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)、白血球3+。検査所見:
赤沈 73 mm/1時間。血液所見:赤血球 354万、Hb 9.1g/dL、Ht 28%、白血球
8,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球 67%、好酸球1%、単球 10%、リンパ球
17%)、血小板36万、PT-INR.1.2 (基準0.9~1.1)、APTT 27.8秒(基準対照
32.2)、フィブリノゲン525 mg/dL(基準 186~355)、Dダイマー 4.1ug/mL(基準
1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン 2.3g/dL、AST 14
U/L、ALT 11 U/L、LD 144 U/L(基準120~245)、尿素窒素9.1mg/dL、クレア
チニン 0.4 mg/dL、CK 51 U/L(基準30~140)。CRP 12 mg/dL。両下肢の写真(別
冊No. 13A)及び鼠径部の造影 CT(別冊No. 13B)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a Behçet病
b 高安動脈炎
c 壊死性筋膜炎
d 抗リン脂質抗体症候群
e May-Thurner(腸骨静脈圧迫)症候群

40 33歳の男性。下痢を主訴に来院した。2週間東南アジアを観光旅行し、2日前
に帰国した。帰国日から水様下痢が出現し、昨日から38℃台の発熱が出現したた
こめ受診した。悪心はあるが、嘔吐はない。体温38.3℃。脈拍92/分、整。血圧
120/78 mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、
軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音が亢進している。腹部全体に軽度の圧痛を認め
るが、反跳痛は認めない。皮疹は認めない。
診断を確定するための検査で最も適切なのはどれか。
a 腹部造影CT
b 便のGram染色
c 腹部超音波検査
d 便の抗酸菌染色
e 便のClostridioides difficile毒素

41 1歳の男児。体幹の紅斑と色素斑を主訴に母親に連れられて来院した。生後4か
月から入浴後に頭部と体幹に瘤痒を伴う紅斑と膨疹が出現するようになったため受
診した。頭部と体幹に径2cm 大までの色素斑と浸潤性紅斑の散在を認める。色素
斑部を擦過すると数分後に膨疹を生じる。皮膚生検で真皮内にトルイジンブルー染
色で赤紫色顆粒を含有する細胞の稠密な浸潤を認める。体幹の写真(別冊No. 14) を
別に示す。
考えられる診断はどれか。
a Sweet 病
b 急性痒疹
c Quincke 浮腫
d 色素性蕁麻疹
e アトピー性皮膚炎

42 34歳の男性。頭痛、顔つきの変化および手足の容積増大を主訴に来院した。
2年前から家人に顔貌の変化を指摘されている。1年前から頭痛を自覚するように
なった。身長182cm、体重48kg、脈拍80/分、整。血圧 156/90mmHg。顔面は
と口唇の肥大、巨舌を認める。胸部と腹部とに異常は認めない。
内分泌検査所見:GH 8.5 ng/mL(男性の基準 2.5以下)、IGF-1780ng/mL(
基準 102~283)、ACTH 35 pg/mL(基準7.2~63.3)、プロラクチン 62.0
ng/mL (基準3.6~12.8)、コルチゾール14 ug/dL(基準6.24~18.0)。頭郡早税
エックス線写真(別冊No.15)を別に示す。
この患者でみられないのはどれか。
a 心肥大
b 耐糖能異常
c 低リン血症
d 睡眠時無呼吸、
e 手根管症候群

43 36歳の男性。前頭部腫瘤を主訴に来院した。2か月前に初めて自覚したが、そ
の後、腫瘤の大きさに変化はない。前頸部修正中の舌骨付近に半球状、単発の 25
×25mmの柔らかい腫瘤を触れる。嚥下時にこの腫瘤は挙上する。頭部造影CT
(別冊No.16)を別に示す。
診断はどれか。
a 側頸嚢胞
b皮様嚢胞
c正中頸嚢胞018
d 腺腫様甲状腺腫
e嚢胞状リンパ管腫

44 35歳の女性。摂食早期の満腹感と心窩部痛を主訴に来院した。6か月前から
早期の満腹感を自覚し、特に脂っぽいものを食べると心窩部痛が出現するため受
診した。便通異常はない。既往歴に特記すべきことはない。身長158cm、体重46
kg(6か月間で3kgの体重減少)。腕部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液
1.408万、Hb 12.8g/dL、Ht 39%、白血球5,300、血小板20万。血液
生化学所見:アルブミン 4.1 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 21 U/L、
ALT 19 U/L、LD 194 U/L(基準 120~245)、ALP 145 U/L(基準 115~359)、Y-GT
14 U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 89 U/L(基準37〜160)、尿素窒素15 mg/dL、ク
レアチニン 0.7 mg/dL、尿酸3.9 mg/dL、血糖 88 mg/dL、HbA1c5.6%(基準
4.6~6.2)、総コレステロール 176 mg/dL、トリグリセリド91 mg/dL、Na 140
mEq/L、K4.3 mEq/L、CI 101 mEq/L。上部消化管内視鏡検査および腹部超音波
検査に異常を認めない。
最も考えられるのはどれか。
a 慢性膵炎
b 逆流性食道炎
c 過敏性腸症候群
d 食道アカラシア
e 機能性ディスペプシア

45 70歳の男性。息切れを主訴に来院した。最近、趣味のグラウンド・ゴルフをす
るときに息切れを自覚するようになり受診した。喫煙歴はない。心音はII 音の固定
性分裂を認め、胸骨左縁第2肋間に収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めな
い。下肢に浮腫を認めない。手指にチアノーゼ、ばち指を認めない。心電図は洞調
律で不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真(別冊No. 17A)及び心エ
コー図(別冊No. 17B)を別に示す。その後心臓カテーテル検査を行った。
ここの患者の各部位の酸素飽和度(%)で正しいのはどれか。
SVC RA LV PA LV
a 70 84 83 85 98
b 70 69 83 85 98
c 70 69 69 70 98
d 70 69 69 85 98
e 70 69 69 70 89
SVC:上大静脈、RA:右心房、RV:右心室、PA:肺動脈、LV:左心室

46 78歳の女性。異常行動を主訴に来院した。2年前から徐々に物忘れが目立つよ
うになり、1年前に軽度認知機能障害(MCI)と診断された。日常生活に支障がない
ため経過観察されていた。1か月前、自宅で夫と昼食中に急に箸を落とした際に、
夫が声をかけたが返事をせず、動作が止まって中空を見つめ、唾をコックンコック
ンと飲み込むような動作を繰り返していた。1分程してから突然立ち上がり、部屋
の中を行ったり来たりするため、夫が制止しようとすると激しく抵抗した。30分
程して徐々に会話が可能となり、普段通りの状態に戻ったが、本人はこの間のこと
を覚えていなかったという。このような異常行動が1週間に2、3回みられるた
め、心配した夫に付き添われて受診した。意識は清明。身長 148cm、体重46kg。
体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧 116/68 mmHg。呼吸数 18/分。心音と呼吸音
とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易
知能評価スケール 21 点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。腱反射は正常で運」
動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。
考えられるのはどれか。
a せん妄
b 常同運動症
c 複雑部分発作」
d 一過性脳虚血発作
e むずむず脚症候群

4714歳の男子。1か月前からの両眼の盛痒感と1週前からの左眼視力低下を主訴
に来院した。矯正視力は右1.0、左0.4。左上眼瞼を翻転した写真(別冊No.18)を
別に示す。
診断はどれか。
a 霰粒腫
b 麦粒腫
c 春季カタル
d) 流行性角結膜炎
eクラミジア結膜炎

48 70歳の男性。嚥下困難を主訴に来院した。2か月前から食物の飲み込みにくさ
を自覚するようになった。徐々に食事摂取が困難となり、体重は1か月で4kg減
少した。身長 170 cm、体重 59 kg。体温 36.5 ℃。脈拍76/分、整。腹部は平坦、
軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球334万、Hb 10.8g/dL、Ht 31%、
白血球7,200、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dL、アルブミン 3.3
g/dL、AST 36 U/L、ALT 40 U/L、尿素窒素19 mg/dL、クレアチニン0.8
mg/dL、CEA 14 ng/mL(基準5以下)、SCC7.8ng/mL(基準1.5以下)。上部消
化管内視鏡像(別冊 No. 19A)、生検組織の H-E染色標本(別冊 No. 19B)及び腹部
造影 CT(別冊No. 19C)を別に示す。
対応として適切なのはどれか。
a 肝切除術
b 試驗開腹術
c 食道切除術
d薬物による抗癌治療
e 內視鏡的粘膜下層剝離術

49 78歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。半年前から労作時呼吸困難を
自覚し、2週前から増悪しているという。意識は清明。体温37.0℃。脈拍
100/分、整。血圧 146/84 mmHg。呼吸数24/分。Sp0,88%(room air)。心音に異
常を認めない。両側の背部に fine cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。
胸部エックス線写真(別冊No. 20A)及び胸部CT(別冊No. 20B)を別に示す。
認められる可能性が高いのはどれか。
a 一秒率低下、
b PaCO2
c A-aDO2開大
d 血清LD低下
e 血中サーファクタントプロテイン D(SP-D)低下

50 56歳の女性。気が遠くなるようなめまいを主訴に来院した。1年前に鼻翼に丘
疹が出現した。皮膚サルコイドーシスと診断され、副腎皮質ステロイド外用薬の塗
布により、3か月程度で皮疹は改善した。今朝から気が遠くなるようなめまいが出
現したため受診した。体温 36.7℃。脈拍40/分、整。血圧 132/72 mmHg。眼瞼結
僕と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常
を認めない。血液所見:赤血球414万、Hb 12.6g/dL、白血球5,400、血小板27
万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、アルブミン 4.3g/dL、AST 21 U/L、
ALT 22U/L、LD 261 U/L(基準 120~245)、CK 78U/L(基準30~140)、クレアチ
ニン0.5mg/dL。CRP 0.1 mg/dL。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電
図で完全房室ブロックを認める。心エコー図(別冊No.21)を別に示す。左室駆出率
は 45%であった。完全房室ブロックに対して一時的ペースメーカーを挿入した。
適切な治療はどれか。
a NSAID
b 抗結核薬
C コルヒチン
d リッキシマブ
e 副腎皮質ステロイド

5152歳の男性。意識障害のため同僚とともに来院した。倉庫内でガソリンエンジ
ンを動力源とするコンクリートカッターを使用して鉄筋コンクリートの床面の切断
作業を行っていたが、うずくまるようにして倒れているのを発見された。コンク
リートカッターは作動したまま、放置されていた。意識はもうろうとしていたが、
外傷はなかったため、社用車で来院した。同所で作業し、ともに来院した同僚3名
は頭痛や悪心の症状を訴えている。意識レベルは JCS III-10。体温36.8℃。脈拍
88/分、整。血圧 146/80 mmHg。呼吸数 24/分。Spo, 97 % (room air)。顔色は紅
潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知
しない。四肢の筋緊張は低下している。
まず行うべき処置はどれか。
a 胃管挿入
b 酸素投与
c ブドウ糖静注
d アドレナリン筋注
e 吸入B刺激薬投与

52 2か月の男児。嘔吐を主訴に母親に連れられて来院した。前日から嘔吐があり、
目宅近くの診療所を受診し、腹部の腫瘤を指摘されたため紹介されて受診した。身
長57cm、体重5,360g。意識は清明。体温36.8℃。心拍数100/分、整。血圧
70/40 mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音と呼吸音とに異
常を認めない。腹部は膨満しており、左下腹部に径約 10 cm の硬い腫瘤を触知す
る。血液所見:赤血球304万、Hb 9.1g/dL、Ht 26%、白血球7,400、血小板40
万。血液生化学所見:総蛋白5.6g/dL、総ビリルビン 2.6mg/dL、直接ビリルビ
ン 0.9 mg/dL、AST 54 U/L、ALT 25 U/L、アミラーゼ 13 U/L(基準 37~160)、
尿素窒素6mg/dL、クレアチニン0.2 mg/dL。CRP 0.1mg/dL、尿中バニリルマ
ンデル酸〈VMA>645 mg/gCr(基準 4.5~12.7)。腹部単純 MRIの脂肪抑制 T2 強
調水平断像(別冊No. 22A)及び冠状断像(別冊No. 22B)を別に示す。
この患児が予後良好と考えられる根拠となる因子はどれか。
a 年齢
b 性別
c 腫瘤の大きさ
d 血中ヘモグロビン値
e 尿中バニリルマンデル酸値

53 60歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。5年前から関節リウマチに対し、副腎皮
ステロイドとメトトレキサートの内服処方を受け、病状は安定している。1か月
前から咳皺が続いている。胸部エックス線写真(別冊No.23A)及び胸部CT(別冊
No.23B)を別に示す。気管支鏡検査を行い、気管支洗浄液の抗酸菌検査で塗抹陽
性で、非結核性抗酸菌が培養された。血液検査で抗 MACKMycobacterium avium
complex>抗体が陽性であった。
対応で適切なのはどれか。
a 肺生検が必要である。
b 接触者健康診断を行う。
c 個室隔離のため入院させる。
d 保健所への届出は不要である。
e クラリスロマイシン単剤治療を行う。

54 22戚の男性。視力低下、昼盲を主訴に来院した。幼少時よりアトピー性皮膚炎を指摘
されていた。15歳ころから眼瞼および結膜の癌痒感が強くなり、副腎皮質
プロイド外用薬および点眼薬を使用してきたが、痛痒感が消失しない時に眼部を
してきた。1年ほど前から視力低下および昼盲を自覚するようになったとい
ク。視力は右0.1(0.9x-3.0D)、左0.1(1.0X-2.5D)。眼圧は右13mmHg、
mammigo 両眼の散瞳後の前眼部写真(別冊No.24)を別に示す。細隙灯顕微鏡
検査で右眼の前部硝子体に色素散布を認める。
緊急に処置・手術が必要な合併症はどれか。
a 結膜炎
b 白内障
c 円錐角膜
d 網膜裂孔
e 後部硝子体剥離

55 77歳の男性。血尿を主訴に来院した。3か月前から時々血尿を自覚していたが、
自然に消失していたため医療機関を受診していなかった。2日前から血尿が持続す。
るため受診した。喫煙歴は20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。身長165cm、体
重70kg。脈拍72/分、整。血圧 120/72 mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知
しない。尿所見:沈渣は赤血球100以上/HPF。血液所見:赤血球395万、Hb
12.9g/dL、Ht 38%、白血球8,100。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミ
ン 3.8g/dL、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL。尿細胞診はクラス
V。胸腹部造影 CT(別冊No.25A、B)を別に示す。
この患者で正しいのはどれか。
a 再発は膀胱に多い。
b 扁平上皮癌である。
G 近位尿細管から発生する。
d VHL 遺伝子異常が関係する。
e 腹部ダイナミック CT で早期濃染を呈する。

56 日齢6の新生児。NICUに入院中である。常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切
で出生した。在胎 26週4日、出生体重750gであった。出生6分で気管挿管が行
われ、10分後には開眼した。その後 NICU 入院となり、呼吸管理を受けている。
入院後、経口胃管を挿入し、日齢1から少量のミルクを開始した。本日、ミルク注
入前に胃内にミルクが残っており、腹部が軽度膨満していた。体温36.7℃。心拍
数 124/分、整。血圧 52/24 mmHg。呼吸数 48/分。SpO2 99 %(F-02 0.25)。大泉門
は平坦で、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨満があり、腸雑音は減
弱している。四肢の運動があり、筋緊張に異常を認めない。胸腹部エックス線写真
(以位正面および左側臥位正面像) (別冊No. 26 A、B)を別に示す。
考えられる疾患はどれか。
a 気胸
b 肝腫瘍
c 消化管穿孔
d 消化管閉鎖
e 横隔膜ヘルニア

57 1歳6か月の男児。出生時に外陰部の異常を指摘されていたが転居を契機に紹介
され受診した。在胎39週、出生体重3,180g、Angar スコア8点(1分)、10点(5
分)で出生した。体重10kg、体温36.5℃。脈拍 92/分、整。SpO2 97 % (room
air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しな
い。亀頭の一部は包皮から露出し、外尿道口は陰茎と陰嚢の移行部に確認できる。
外陰部の写真(別冊No. 27 A、B)を別に示す。
この患児にみられるのはどれか。
a 血尿
b 尿閉
c 水腎症
d 陰茎の屈曲
e 真性尿失禁

58 48歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。約5年前からバランスが悪く転びやすく
なってきたという。徐々に悪化して、歩行時によろめくようになり、階段昇降
では手すりが必要になったため受診した。認知機能は正常である。びっくり眼を
める。筋力低下と感覚障害とを認めない。小脳性運動失調と錐体路徴候とを認める
この不随意運動を認めない。起立性低血圧と膀胱直腸障害とを認めない。家族歴で、
は、父、父方の祖父および叔父が同様の症状を示していたという。
考えられるのはどれか。
a Parkinson
b 多系統萎縮症
c Huntington
d Machado-Joseph
e ミトコンドリア脳筋症

59 79歳の男性。右鼠径部から陰嚢にかけての膨隆を主訴に来院し、
り医業にかけての膨隆を主訴に来院した。2年前から
右鼠径部の膨隆を自覚していた。昨夜から還納できな
日見していた。昨夜から環納できなくなり今朝から疼痛を伴うた
め受診した。意識は清明。身長165cm、体重50kg。体温35.9.1
牙長165cm、体重50kg。体温35.9℃。脈拍64/分、
整。血圧 140/66 mmHg。呼吸数16/分。腹部は平坦、軟で、石駅
吸数16/分。腹部は平坦、軟で、右鼠径部から陰嚢に
かけて膨隆を認める。皮膚表面に変化を認めない。徒手的還納はできなかった。
液所見:赤血球459万、Hb 15.1 g/dL、Ht 44%、白血球8,400、
5.1g/dL、Ht 44%、白血球8,400、血小板25万。総蛋白7.7g/dL、アルブミン4.3g/dL、総ビリルビン0.9
mg/dL、AST 26U/L、ALT 21 U/L、LD 347 U/L(基準120~245)、CK 1480/L
(基準30~140)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、血糖 112
mg/dL、Na 142 mEq/L
K 4.2 mEq/L, Cl96 mEq/L。CRP 0.9mg/dL。 骨盤部CT(別冊No.28)を別に示す。
適切な対応はどれか。
a 緊急手術
b 高圧浣腸
C イレウス管留置
d 穿刺ドレナージ
e 内視鏡的整復術

60 60歳の女性。左腋窩リンパ節腫大を主訴に来院した。1か月前に初めて左腕
にしこりを自覚した。その後、痛みはないものの次第に増大するため受診した。
往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長 158cm、体重 50 kg。体温 37.81
℃。脈拍84/分、整。血圧 112/78 mmHg。左腋窩に弾性硬の圧痛を伴わない径31
cm のリンパ節を認める。右頸部と右鼠径部にもそれぞれ径1cm と径3cmのリン
パ節を触知する。血液所見:赤血球424万、Hb 13.7g/dL、Ht 44%、白血球
4,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白7.7g/dL、アルブミン 5.1 g/dL、
「総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 33 U/L、ALT 27 U/L、LD 410 U/L(基 準
120~245)、ALP 320 U/L(基準 115~359)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン
1.0 mg/dL、尿酸4.5 mg/dL。左腋窩リンパ節生検病理組織診断は CD 20 陽性の
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫であった。FDG-PET の全身像(別冊No.29)を
別に示す。
適切な治療はどれか。
a 局所放射線照射
b 全身放射線照射
C 殺細胞性薬の単独投与
d 自家末梢血幹細胞移植
e 分子標的薬と殺細胞性薬の投与

61 58歳の女性。健康診断で異常を指摘されたため来院した。自覚症状はない。飲
酒歴はない。輸血歴はない。身長152cm、体重72kg。血圧152/84 mmHg。眼瞼
結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平
坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察で異常を認めない。血液所見:赤血球
385万、Hb 12.5g/dL、Ht 38%、白血球4,900、血小板18万。血液生化学所見:
アルブミン4.4g/dL、総ビリルビン1.1 mg/dL、直接ビリルビン 0.8mg/dL、
「AST 78 U/L、ALT 92 U/L、LD 293 U/L(基 準 120~245)、ALP 347 U/L(基準
0 115~359)、Y-GT 94 U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 79 U/L(基準37〜160)、尿素
窒素18 mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸6.9mg/dL、血糖 158 mg/dL、
HbA1c7.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 216 mg/dL、トリグリセリド
190 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 4.4 mEq/L、C1 103 mEq/L。免疫血清学所見:
HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体陰性。
肝障害の原因として、最も考えられるのはどれか。
a Wilson病
b Gilbert 症候群
c 自己免疫性肝炎、
d 原発性胆汁性胆管炎
e 非アルコール性脂肪性肝疾患

62 23歳の女性。左下腹部痛を主訴に来院した。3日前の朝、通勤中の電車内で急
に左下腹部痛を自覚した。痛みは2時間ほどで自然に軽快したという。2か月前に
も同様の疼痛発作があったため心配して受診した。既往歴と家族歴に特記すべきこ
とはない。月経は周期28日型、整、持続5日間。身長158cm、体重48kg。体温
0℃。脈拍72/分、整。血圧100/64 mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結
限とに異常を認めない。恥骨上から艦上6cmにかけて腹部腫瘤を触知し、軽度の
用を認める。子宮は正常大で圧痛は認めない。血液所見:赤血球380万、Hb
10.1g/dL、Ht 32 %、白血球 4,000、血小板 19万。血液生化学所見:総蛋白7.0
g/dL、AST 22U/L、ALT 20 U/L、LD 190 U/L(基準120~245)、a-フェトプロテ
イン〈AFP〉5 ng/mL(基準20以下)、CA19-9 35 U/mL(基準 37以下)、CA12530
U/mL(基準 35 以下)。下腹部 MRI の T2 強調像(別冊No. 30 A)、T1強調像(別冊
No.30B)及び脂肪抑制 T1 強調像(別冊No. 30C)を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
a 外科的切除
b 放射線治療
c 分子標的薬投与
d ホルモン薬投与
e 副腎皮質ステロイド投与

63 90歳の男性。散歩の途中で段差につまずいて転倒し歩行不能となり、救急車で
搬入された。転倒前の歩行能力は自立し、歩行補助具は不要であった。意識は清
明。体温36.9℃。心拍数92/分、整。血圧 120/70 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2
98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を
触知しない。頭部や四肢に創傷はない。右股関節に疼痛があり、右下肢を動かすこ
ができない。麻痺はない。両側股関節正面エックス線写真(別冊No.31)を別に示
す。
この段階で最も適切な対応はどれか。
a 介護施設への転送
b 可及的早期の手術
c 車椅子での生活自立訓練
d 約1か月の局所牽引療法
e ギプス包帯による右股関節固定

64 35歳の女性。性感染症治療後に病状を説明することになった。患者は帯下の増
加と下腹部痛を主訴に4週前に来院した。付属器に圧痛を認め、子宮頸部の性器ク
ラミジア DNA検査が陽性で抗菌薬を投与した。帯下は減少し下腹部痛と圧痛も消
失し、性器クラミジア DNA 検査も陰性となった。
患者に対する説明で適切なのはどれか。
A 3か月の避妊が望ましい。
b クラミジア感染症は治癒した。
c 異所性妊娠のリスクは低下した。
d 子宮性不妊となる可能性が高い。
e 今後クラミジア感染症になることはない。

65 40歳の経産婦(6妊5産)。妊娠34週3日に胎動消失を主訴に来院した。妊娠経過
は順調であったが、妊娠 30 週の妊婦健康診査後、多忙と経済的理由のため受診
していなかった。これまで計5回の経膣自然分娩の既往がある。身長152cm、体
重 62 kg。体温36.8℃。脈拍 84/分、整。血圧 116/72 mmHg。子宮収縮は認めら
れなかった。腹部超音波検査を施行したところ、胎児心拍を認めなかった。推定胎
児体重は1,500gで妊娠30週の妊婦健康診査時の推定体重とほぼ変わらなかった。
胎盤に異常所見はなかった。
直ちに行う血液検査項目として適切なのはどれか。2つ選べ。
a FDP
b 血小板数、
c 抗リン脂質抗体
d 胎児へモグロビン
e 間接Coombs 試験

66 48歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。20年前からほぼ毎日、日本酒5合
を飲酒している。6か月前に急性胃腸炎で入院した際にけいれんが生じたという。
1週前から食欲不振、倦怠感と腹部膨満感が出現したため救急外来を受診し、入院
した。意識レベルは JCSI-3。身長 158cm、体重59kg。体温37.4℃。脈拍
(108/分、整。血圧 122/78 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜
は貧血様で、眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は
やや膨隆し波動を認める。全身に発汗を認める。血液所見:赤血球 247 万、Hb
9.6g/dL、Ht 28%、白血球 15,000、血小板5万、PT-INR 2.1(基準 0.9~1.1)。
血液生化学所見:総蛋白6.2 g/dL、アルブミン 2.6g/dL、総ビリルビン 6.1
mg/dL、直接ビリルビン 3.4 mg/dL、AST 136 U/L、ALT 45 U/L、LD 362 UL サケ
(基準 120~245)、ALP 384 U/L(基準 115~359)、γ-GTP 223 U/L(基準8〜50)、ア
ミラーゼ 68 U/L(基準 37~160)、クレアチニン 1.6 mg/dL。HBs抗原陰性、HCV
抗体陰性。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a 血小板輸血
b ビタミンB群投与。
c ガンマグロブリン投与
d 内視鏡的胆道ドレナージ
e ベンゾジアゼピン系薬投与

67 43歳の女性。強い動悸と頭部痛を主訴に来院した。1週前から夜間の発熱と成
敷が出現し、自宅近くの診療所を受診して総合感冒薬を処方された。その後、感冒
症状は改善したが頸部痛、動悸および両手指の振職が出現したため受診した。体温
37.1℃。脈拍120/分、整。血圧 118/60 mmHg。甲状腺はびまん性に軽度腫大し
ており、触診では甲状腺右葉の腫脹部に圧痛を認める。検査所見:赤沈 65mm/1
時間。血液所見:白血球9,800。血液生化学所見:TSH 検出感度未満(基準
0.2~4.0)、FT,5.86 ng/dL(基準 0.8~2.2)。免疫血清学所見:CRP 5.0 mg/dL、
抗 TSH受容体抗体陰性。心電図では洞性頻脈を認める。甲状腺超音波検査では疼
痛部に一致した低エコー所見を認める。
行うべき治療はどれか。2つ選べ。 (

a 抗菌薬投与
b B遮断薬投与
c 抗甲状腺薬投与
d 副腎皮質ステロイド投与
e 放射性ヨウ素によるアイソトープ治療

68 78歳の女性。皮疹と食欲低下を主訴に来院した。高血圧症、狭心症および脂質
異常症で自宅近くの医療機関に通院し、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬およびスタ
チンの処方を受けていた。20日前の定期通院時の血清クレアチニンは0.7 mg/dL、
eGFR 61 mL/分/1.73m²であった。5日前から左背部から側腹部にかけて痛みを
伴う皮疹が出現し市販のNSAIDを腹用していたが改善せず、食事も摂れなくなっ
たため受診した。意識は清明。身長152cm、体重41kg。体温37.2℃。脈拍
88/分、整。血圧 142/80 mmHg,左背部から側腹部にかけて紅斑と水疱を認め強ンだ
い疼痛を伴っている。血液所見:赤血球341万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球
3,700、血小板 17万。血液生化学所見:尿素窒素 23 mg/dL、クレアチニン1.4
mg/dL、eGFR 28 mL/分/1.73 m²、総コレステロー ル 210 mg/dL、Na 143
mEq/L、K4.6 mEq/L、CI 106 mEq/L。CRP 0.7 mg/dL。帯状疱疹と診断され、
強い痛みと食欲不振もあることから入院の上でアシクロビルによる帯状疱疹の治療
を行うこととした。
この患者で減量して投与すべきなのはどれか。2つ選べ。
a NSAID
b スタチン
c 抗血小板薬
d アシクロビル
e カルシウム拮抗薬

69 70歳の男性。発熱を主訴に来院した。2週前から38℃前後の発熱が出現し、解
熱薬とセフェム系の抗菌薬を処方された。一時的に症状の改善がみられたが、投薬
の終了後に再び発熱したため、紹介され受診した。58歳時より高血圧症および脂
(目宅近くの診療所から内服薬を処方されている。
3年前に僧帽弁逆流症を指摘されたが手術適応はないと診断されていた。
意識は清明。体温37.6℃
。脈拍72/分、整。血圧 124/80 mmHg。呼吸数 18/10
定。124/80 mmHg。呼吸数18/分。Sp0294%(room air)。
心音は心尖部にI/VIの全収縮期雑音を聴取する。
/Mの全収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。尿所
見:尿比重1.016、蛋白(-)、糖(-)、潜血(一)、ル
、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球、白血球を認めな
い。血液所見:赤血球452万、Hb 12.4g/dL、Ht 36%、日 本 ,
中球55%、分葉核好中球22%、好酸球2%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球
15%)、血小板35万。血液生化学所見:AST 38U/L、ALT 36U/L、尿素窒素20
mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、尿酸7.1 mg/dL、Na 137 mEq/L、K4.6
mEq/L、CI 100 mEq/L。CRP 20 mg/dL。
現時点における対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 血液培養
b 心筋生検
c 遺伝子檢查
d 心エコー検査」
e ウイルス抗体価の確認

70 76歳の女性。物忘れが多くなり、何度も同じことを尋ねるようになったことを
配した家族に付き添われて来院した。約1年前から軽度の意欲低下がみられてい
が、ここ3か月間は食事を作るものの同じ献立を何日も連続して作るようになっ
てきたという。身体所見に異常を認めない。Hamilton うつ病評価尺度4点(0点~
7点:正常)、Mini-Mental State Examination《MMSE> 16点 (30点満点)。頭部
MRIで海馬の軽度萎縮が認められた。
この患者の機能評価に有用な検査はどれか。2つ選べ。
a Rorschach テスト
b 津守・稲毛式発達検査
c 前頭葉機能検査〈FAB)
d 状態特性不安検査 (STAI)
e Wechsler 記憶検査(WMS-R)

71 9歳の男児。左肘痛を主訴に母親とともに来院した。自転車乗車中に転倒し、左
手をついて受傷した。左肘関節エックス線写真(別冊No. 32 A、B)を別に示す。徒
手整復を行う準備をしていたところ、左前腕部にも疼痛が出現し、左手指の自動運
動が不能となった。
緊急筋膜切開術を判断する指標として適切なのはどれか。2つ選べ。
a 創の有無
b 転位の程度
c 橈骨動脈の拍動
d 皮下出血の有無
e 前腕筋区画内圧

72 61歳の男性。心窩部痛を主訴に救急車で搬入された。7日前に腰痛を自
宅近くの診療所で(NSAIDを処方されていた。今朝急に心窩部痛が出現し急速に増強、
するため救急車を要請した。意識は清明。身長 173cm、体重 67 kg。体温36.0
℃。心拍数88/分、整。血 圧 124/80 mmHg。呼 吸 数 20/分。SpO2 98% (鼻 カ
ニューラ3L/分酸素投与下)。腹部は平坦で、心窩部に圧痛と軽度の反跳痛とを認
の。血液所見:赤血球483万、Hb 15.7g/dL、Ht 47%、白血球 14,700、血小板
30万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン
0.9 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 15 U/L、LD 170 U/L(基準120~245)、ALP 265
U/L(基準 115~359)、Y-GT 66 U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 52 U/L (基準
37~160)、CK 85U/L(基準30~140)、尿素窒素17mg/dL、クレアチニン1.0
mg/dL、血糖 103 mg/dL、Na 146 mEq/L、K3.8mEq/
L C1 106 mEq/L。CRP2.2mg/dL。腹部単純CT(別冊No.33)を別に示す。
まずは手術を実施せず、保存的治療を行うこととした。
対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
a 抗菌薬投与
b 経鼻胃管留置
c 高圧酸素療法は
d 腹部血管造影
e プロトンポンプ阻害薬投与

73 41歳の女性。高血圧、頭痛および脱力を主訴に来院した。3年前から高血圧症
に対して、自宅近くの診療所でカルシウム拮抗薬を投与されていたが、血圧は
150/80 mmHg 前後の高値が持続していた。1年前から頭痛と脱力も自覚するよう
になったため受診した。血液検査では血清カリウムが2.8 mEq/Lと低下してい
た。二次性高血圧症を疑って施行した安静臥位 30分後の採血では、血漿レニン活
性 0.1 ng/mL/時間(基準 1.2~2.5)、血漿アルドステロン濃度 231 pg/mL(基準
30~159)であった。腹部単純CTでは異常所見を認めない。
診断のために行うべき検査はどれか。3つ選べ。
a 生理食塩水負荷試験
b カプトプリル負荷試験
c デキサメサゾン抑制試験
d フロセミド立位負荷試験
e MIBG 副腎シンチグラフィ

74 34歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。本日、オートバイ運転中に併走
乗用車と接触し転倒した。意識障害はなく、四肢の擦過傷と右膝関節の打撲以外に
大きな外傷はなかった。転倒3時間後に心窩部痛を自覚し、徐々に増強するため事
に付き添われて受診した。意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 104/分、整。血圧
96/58 mmHg。呼吸数 16/分。SpO.97%(room air)。眼瞼結膜はやや貧血様だが胆
球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨隆し、
腸雑音の減弱を認める。心窩部から右季肋下にかけての圧痛を認める。神経診察で
異常を認めない。血液所見:赤血球 327万、Hb 10.6g/dL、Ht 34%、白血球
11,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.7g/dL、
総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 142 U/L、ALT 78 U/L、LD 358 U/L(基 準
120~245)、Y-GT 57 U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 154 U/L(基準 37~160)、尿素
窒素 18 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、血糖 97 mg/dL、Na 140 mEq/L、K
4.3 mEq/L、CI 100 mEq/L。CRP 1.0 mg/dL。
現時点で行うべき検査として適切なのはどれか。3つ選べ。
a 胸部エックス線撮影
b 上部消化管造影検査
c 腹部超音波検査
d 腹部造影CT
e 下肢MRI

75 80歳の男性。夜間に大声をあげることを主訴に来院した。約10年前から時々
はっきりした夢をみて、夜中に大声をあげるようになった。1年前から動作がのろ
くなり、歩行時に歩幅が小刻みとなって、つまずくことが増えてきた。2か月前か
ら、カーテンが人の姿に見えることがあったという。さらに、夜中に大声をあげて
手足を動かしてベッド周囲の物を落とすことが増えてきたため、心配した妻に勧め
られて受診した。既往歴に特記すべきことはなく、常用薬はない。頭部 MRIでは
軽度の脳萎縮以外に異常は認めない。。。
診断に有用な検査はどれか。3つ選べ。
a 脳脊髄液検査
b 末梢神経伝導検査
cポリソムノグラフィ
d MIBG 心筋シンチグラフィ
e ドパミントランスポーター SPECT